DM開封率はメールよりも紙。開封率を上げるコツ
更新日:2025.05.09
DM(ダイレクトメール)は、開封率によって成功の可否が大きく変わってきます。
どれほど魅力的な商品やサービスをDMで紹介していても、開封されなければ情報が届かず、DMを送る意味がなくなってしまいます。
本記事では、DMの開封率を高めるための具体的なテクニックや工夫を、実際の事例とともにご紹介します。
開封され、読まれ、行動につながるDM制作のヒントをお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
DM開封率の重要性
DM(ダイレクトメール)の効果を測るうえで、最も基本かつ重要な指標が「開封率」です。
受け取った人に中身を見てもらえなければ、どれだけ優れた商品やサービスの情報を載せていても意味がありません。そのため、開封率はDM施策全体の成果に、大きく影響を与えます。
まず、DMを目に留めてもらい、手に取ってもらうこと。
成功の可否は、開封率から始まると言っても過言ではないのです。
開封率の比較と平均値
実際の開封率の目安を見てみましょう。
個人宅に届くBtoC向けDMでは「本人宛て」のDMの開封率は75.1%と極めて高く、家族宛てまで含めても64.8%という高い数値が確認されています。
一方、企業宛てのBtoB向けDMでは、形状によって数値が大きく変動します。
たとえば、紙封筒形式の開封率は約20%に対し、A4サイズのハガキ型DMは約85%と非常に高い開封率を誇ります。
このように、DMの受取対象や封筒の形状によっても開封率に大きな差が出てくるため、ターゲットと内容に応じた最適な形式を選ぶことがDM成功の鍵となります。
※一般社団法人ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2023」より
https://www.jdma.or.jp/upload/research/20-2024-000027.pdf
メールより紙に軍配、DM開封率
現在ではメールやSNSのDMも一般的な手法ですが、開封率に関しては紙のDMに軍配が上がります。
たとえば、メールマガジンの開封率は一般的に20~30%台で推移しており、ベンチマーク社の調査によると日本の平均開封率は31.75%となっています。
それに対し、紙のDMはBtoC向けで75.1%、BtoB向けハガキDMで85%と、メールと比べて圧倒的な差があることがわかります。
この理由としては、紙のDMは手に取って目に触れるという物理的な接触があるため、認知されやすい点が挙げられます。
また、デジタルよりも物理媒体の方が信頼性や重みを感じやすいという心理的効果も見逃せません。
特に近年では、メールやSNSなどの情報が過剰な時代だからこそ、「紙だからこそ目に留まる」「信頼できる」という傾向が強まっています。
このように、紙DMは「開封されること」自体の確率が高いため、見込み顧客へアプローチする手段として非常に有効なのです。
DM開封率を上げる具体的なコツ
DMの開封率を上げるためには、いくつかの工夫が必要です。
ここでは、すぐに実践できる具体的なポイントとコツをご紹介します。
封筒やハガキのデザイン、サイズ、形状にこだわる
白無地の封筒では、他の郵便物に埋もれてしまいがちです。
一方で、視認性に優れたカラー封筒や、目を引くレイアウトは、手に取られる可能性を高めます。
例えば以下のような工夫が効果的です。
・カラフルな封筒で視認性を高める
・窓付き封筒で一部の内容を見せ、興味を引く
・「期間限定」「特別ご案内」など目立つコピーを記載する
・手書き風のフォントや実際の手書きを活用して親近感を演出
こうした工夫により、「なんだろう?」と思わせて開封へつなげることが可能です。
宛名や差出人を正確に記載する
DMを受け取った際、最初に目に入るのは宛名と差出人です。
この2つの要素が魅力的かつ信頼感を与えるものであれば、開封される確率は大きく上がります。
まず宛名については、「○○様」「ご住所+フルネーム」といった個別性を持たせることで、受け手は「自分のために送られてきたものだ」と感じ、開封につながりやすくなります。
宛名があると無いとでは、DM開封率がはるかに変わることは数字にも表れています。
- 宛名ありのDM開封率:75%
- 宛名無しのDM開封率:26%
※一般社団法人ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2023」より
https://www.jdma.or.jp/upload/research/20-2024-000027.pdf
自分宛のDMだと感じてもらうだけでも、DMに対する興味の度合いが格段に上がることがわかります。
また、差出人に企業名だけでなく、担当者名(例:「○○株式会社 ○○部門 担当:山田太郎」)も添えると、形式ばらない印象となるので、受け取り手との心理的距離も縮まり、開封率もアップする傾向があります。
封入物はわかりやすく、メッセージの見せ方にひと工夫
せっかく開封されたDMでも、封入物の配置や内容がわかりにくければ、そのままゴミ箱行きになってしまうことも珍しくありません。
そこで、「○○様限定のキャンペーン内容はこちら」、「今だけの特典」といったメッセージが真っ先に目に入るように、封入物の順序やデザインに気を配りましょう。
返信用ハガキや割引クーポンなど、受け取り手にとってのメリットがひと目で伝わる構成にすると、自然と読み進めてもらえる可能性が高まります。
サンプルやノベルティ(立体物)の封入
開封率を高める施策のひとつとして、サンプルやノベルティといった「立体的なアイテム」をDMに同封する手法があります。
封筒に厚みや重みがあると、受け取った側は思わず「何が入っているのだろう?」と中身に興味を持ちやすくなり、DMを手に取る確率が自然と上がるのです。
こうした仕掛けは、「ドアオープナー」と呼ばれる、心理的な開封誘導のテクニックのひとつです。
中身が見えない封筒でも、わずかな膨らみや異物感によって印象に残りやすく、開封行動につながるきっかけをつくることができます。
同封するアイテムは、あくまで実用的かつ邪魔にならないサイズ感が理想です。
たとえば、ボールペンや付箋、オリジナルグッズなどは手軽ながらも実用性が高く、顧客の手元に長く残る可能性があります。
また、新商品のサンプルを封入すれば、商品のアピールだけでなく、DMを開封したあとも強く新商品の印象を残し続けることができるでしょう。
キャッチコピーで関心を引く
DM全体の中でも、キャッチコピーは特に目を引くかどうかの重要なポイントとなります。
このキャッチコピーには、短いながらも強い訴求力と求心力が求められます。
「この封筒を開けた方だけの特典」や「○月○日までにご確認ください」など、限定性や緊急性を伝える言葉は、つい中身を見たくなる気持ちを刺激します。
「DMを開封(見た)した方限定」といった特別感を演出する文言を添えると、受け取る側に「自分だけが得をしている」と感じさせやすくなり、開封後の行動にもつながりやすくなるでしょう。
また、「アンケート回答でギフト進呈」「お見積もり無料キャンペーン実施中」など、具体的な得点を示すフレーズがあると、行動へのハードルが下がり、効果的な導線になります。
送付ターゲットを絞る
DMの開封率を左右する大きな要因のひとつが、「誰に送るか」というターゲティングです。
どれだけ魅力的なデザインや特典を用意しても、関心の薄い層に送ってしまっては、反応は期待できません。
効果的なDM施策を行うには、まず自社の商品やサービスが「どのような人にとって価値があるか」を明確にする必要があります。たとえば、住宅のリフォーム案内であれば「築10年以上の戸建てに住んでいる世帯主」や「子育て世帯」など、属性やライフステージをもとに対象を絞ることで、反応率は大きく変わってきます。
さらに、過去に問い合わせや資料請求をした人、購入歴のある顧客など、すでに接点のある相手に送ることで、信頼や関心度が高くなり、開封率も向上します。
情報収集や分析には、顧客管理システム(CRM)や外部のデータベース、地域別の統計データなどを活用すると効果的です。
見込み度の高い層に絞ってアプローチを行うことで、DMの費用対効果も一層高まるでしょう。
DMは、正しく設計すれば高い開封率と効果を見込めますが、逆にいくつかのポイントを外してしまうと、開封されずに捨てられてしまうことも珍しくありません。
ここでは、開封率が伸びない代表的な失敗例を3つご紹介します。
自社の施策と照らし合わせて、改善のヒントを見つけていきましょう。
封筒の外観やハガキのデザインは、第一印象を決める重要な要素です。色味が地味すぎたり、文字情報ばかりでパッと見のインパクトに欠けたりすると、DMは他の郵便物に埋もれてしまいます。
特にビジネス用途のDMは、「お知らせ」風の無機質な見た目になりがちで、開封されずに処分されるケースも少なくありません。
また、特典やキャンペーン内容が不明確だったり、他社と差別化できていなかったりする場合もDMへの反応は鈍くなります。
「何が得なのか」「どんなメリットがあるのか」が一目で伝わるキャッチコピーやデザインが求められます。
ときには、あえて手書き風のメッセージや写真を取り入れることで、親しみやすさを演出するのも効果的でしょう。
適切でないDM送付タイミング
どんなに内容の優れたDMでも、送るタイミングを間違えると効果は半減してしまいます。
年末年始やゴールデンウィーク直前など、受け取り手が多忙になる時期は、DMの優先度が下がり、開封されずに終わる可能性が高くなります。
また、キャンペーンの締切が送付日から遠すぎる場合も要注意です。
「まだ時間があるから後で見よう」と思われ、結局忘れられてしまうことがあります。
逆に、締切が近すぎると準備不足の印象を与えかねません。
季節商戦や生活イベントに合わせてスケジュールを組み、相手が関心を持ちやすい時期を狙うことが大切です。
ターゲットが絞られていない大規模送付
DMの効果を最大化するには、ターゲットを明確にしたうえで、ターゲットに合った内容のDMに最適化する必要があります。
しかし、実際には「とりあえず多くの人に送れば反応があるはず」と考え、一括で大量送付してしまうケースが少なくありません。
こうした大規模なDM送付は、関心のない層にも届いてしまい、無視されるだけでなく、「迷惑」と捉えられるリスクもあります。その結果、ブランドイメージを損なう可能性もでてきます。
ニーズが明確な層に的を絞った少数精鋭の配布の方が、結果として開封率も成約率も向上しやすくなります。
大量送付はコストが高くなるだけでなく、まったく効果が得られずに終わってしまう、ブランドイメージまで落としてしまう可能性があることを忘れないようにしましょう。
DM開封率アップ!成功事例の紹介
ここでは、DM開封率アップの工夫を取り入れたDMの実例をご紹介します。
どのような仕掛けやアイデアが効果を上げたのか、ぜひ参考にご覧ください。
スキンケアサンプル封入DM
化粧品のサンプルを封入
洗顔フォームご購入の既存顧客様へ、スキンケアラインを体験いただくためのパウチサンプル6包をセットできるDMを作成しました。
サンプルとあわせてブランドの世界観を伝えるリーフレットも同梱し、高級感のある仕上がりに。
商品への関心を引き出すと同時に、次回購入への動機付けにつながりました。
■詳細はこちら:
https://www.fmdb.co.jp/products/1321/
封筒デザインとコピーで興味を引くDM
封筒の形状にこだわる×キャッチコピーで目を引く
封筒の形状と視覚的な仕掛けを工夫したDMの事例です。
このDMでは、「30%OFF」のクーポン情報を封筒の窓から見えるように配置することで、受け取った瞬間に特典内容が伝わる構造にしました。思わず中身を確かめたくなるようなキャッチコピーや視覚的インパクトにより、開封率の高い結果が得られました。
■詳細はこちら:
https://www.fmdb.co.jp/products/853/
その他の開封率アップ施策も多数
このほかにも、ターゲットや商材に応じて最適なDMを企画・制作することで、開封率や反応率の向上につなげることが可能です。
DMは「ただ送るだけ」のツールではなく、設計次第で大きな反響を得る販促施策へと変わります。
開封率を意識したDM制作や、効果的な送付方法にお悩みの方は、ぜひプロのサポートをご活用ください。
■DM作成、送付の参考資料:
https://www.fmdb.co.jp/document/
まとめ
DMの開封率を高めるには、ターゲット設定やデザイン、封入物の工夫など、さまざまな要素を戦略的に組み合わせることが重要です。
今回ご紹介した内容は、どれも実際の成果に裏打ちされたノウハウです。小さな工夫が大きな成果につながることも少なくありません。
「どんなDMが効果的なのか」「今のDMで十分か」とお悩みの方は、ぜひプロの視点を取り入れてみてください。
目的やターゲットに合わせた最適なDMの企画・制作で、開封率アップと成果向上を目指しましょう。
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