DM(ダイレクトメール)とEメールの違いとは?メリット・デメリットを解説
更新日:2025.08.05
DM(ダイレクトメール)とEメール(メールマガジン)の違いや特徴、最適な活用シーンについて詳しく解説します。
マーケティング施策の代表的な手法であるDMは、ターゲットに合わせた紙媒体を郵送することで、顧客に直接的に情報を届けられるという特徴があります。
自宅に自分宛のハガキやパンフレットが届き、その内容をつい開封して確認してしまった経験がある方も多いのではないでしょうか?
このように、DMは実際に手に取ってじっくりと情報を確認できるため、視覚的なインパクトが強く、顧客の関心を引きやすいという大きなメリットがあります。
一方、Eメールは、多くの顧客に旬の情報をスピーディーに届けることができるため、特に効率性が求められる場面で強みを発揮します。
期間限定のキャンペーンなど、迅速に通知したい情報を即座に配信できる点が、Eメールの大きな魅力です。
DMとEメール、どちらを選ぶべきか悩んでいませんか?
それぞれの手法には特徴があり、強みを最大限に活かすには、マーケティングの目的やターゲット層によって使い分けることが重要です。
ぜひ本記事を参考に、あなたのマーケティング施策をさらに強化していきましょう。
目次
DM(ダイレクトメール)とは
ダイレクトメール(DM)は、主に広告や販促を目的として、企業や団体が特定の個人や法人に郵送物を送付し、情報を届けるマーケティング手法です。
この手法では、ハガキ、手紙、カタログなどの紙媒体を使用することが一般的で、商品やサービスの詳細、企業の理念などを丁寧に伝えるのに適しています。
DMは、EメールやSNSが普及する前から活用されており、今でも営業活動や集客の代表的な手法として広く利用されています。
DMの大きな特徴と強みは、ターゲットとなる個人や法人を明確に選定し、その相手に合わせた内容で最適化された情報を届けることにあります。
不特定多数に向けて一斉に情報を配布するのではなく、一人ひとりに対して、パーソナライズされた内容やデザインで情報を届けるため、「自分のために送られた」と感じさせる特別感を生み出します。
丁寧にカスタマイズされた案内を通じて、より強い興味や関心を引き出すことができ、結果的に開封・閲覧される確率が高まります。さらに、顧客との信頼関係を築くことにも大きな効果が期待できるのです。
なお、近年ではSNS上での「ダイレクトメッセージ」も略して「DM」と呼ばれることが多く、混同されることがありますが、ここでは紙媒体を活用した「ダイレクトメール」に焦点を当てて解説します。
Eメール(メールマガジン)とは
郵送物の準備が不要で、顧客のメールアドレスさえ分かれば配信できるため、紙媒体を使用したダイレクトメールに比べて、非常に効率的に情報を届けることができます。
メールマガジンを活用して継続的に情報を発信することで、読者は企業の活動内容やサービスについて深く理解でき、信頼関係を築くことが可能となります。配信内容はサービスや商品の紹介をはじめ、定期購入の案内やキャンペーン情報など多岐にわたります。
また、今すぐの購入を促す内容に加え、開催予定のイベント案内や業界ニュースなど、将来的な問い合わせや購入に繋がる道筋を作る内容も多く含まれます。
しかし、手軽に送信できるからといってターゲットを絞らず、ただ頻繁に一方的な情報を送信するだけでは、「怪しい」「煩わしい」と感じられることもあり、逆効果を招くこともあります。
読者のニーズに合った内容か、配信頻度が最適かを慎重に見極めることが、成功のカギとなります。
DMとEメールの違いと特徴
DM(ダイレクトメール)とEメール(メールマガジン)は、どちらも企業が顧客に情報を届けるための手段です。
しかし、両者には送付方法、伝えられる情報量、コストなどにおいて明確な違いがあります。
送付方法
DMは、紙のハガキやカタログなどを郵送する「オフライン」の手法です。
送付には顧客の宛名や住所が必要であり、印刷・封入・発送といった工程に時間と手間がかかります。
配達にも日数を要するため、スピーディーに情報を届けることが難しいという特徴があります。
一方で、メールマガジンはインターネットを通じて配信される「オンライン」の手法であり、多くの顧客へ向けて、タイムリーな情報を一斉配信することが可能です。
メールアドレスさえ分かれば、宛名や住所といった個人情報がなくても手軽に送信できます。
伝えられる情報量
DMは、実際に手に取って確認できる紙媒体であるため、一度に提供できる情報量が多いのが特徴です。
ハガキやチラシに加えて、保管して繰り返し見返すことのできる冊子状のパンフレットや、店舗で利用できるクーポン・チケット、実際の使い心地を試すことのできるサンプルなどを同封することもできます。
さらに、文章だけでなく、直感的に理解しやすい写真やイラストを豊富に盛り込んで商品やサービスを紹介できるため、受け取った相手の興味を引きやすく、比較的高い開封率を誇る傾向があります。
一方、Eメールは基本的にテキスト(文章)中心のため、DMと比較して伝えられる情報量には限りがあります。
長文のメールは読者に敬遠されやすいため、スクロールを何度も必要とするような内容は避け、コンパクトで要点を押さえた構成が求められます。
また、紙媒体と同じデザインの広告をPDFなどで送信することも可能ですが、受け取り手の設定によっては、正しく表示されないリスクがあるため、注意が必要です。
コスト
DMは、印刷費や郵送費などの費用がかかるため、必然的にコストが高くなります。
大規模な配信を行う際には特に費用負担が大きくなるため、ターゲットを正確に絞ることが重要です。
一方、Eメールはインターネットを利用した配信のため、DMと比較して圧倒的に費用の負担が少なくなります。
物理的・時間的なコストを削減したい場合には、できるだけEメールを選択するのがおすすめです。
DMのメリット
ここからは、DM(ダイレクトメール)ならではの強みについてご紹介します。
送付先ターゲティングの精度が高い
DMは、顧客一人ひとりのニーズや興味に合わせた情報を直接届けることができるのが大きなメリットです。
年齢、性別、住所、購買履歴などのデータを基に、受け取る相手にふさわしい情報を届けることで、より顧客満足度の高いマーケティングが可能になります。
例えば、顧客の好みに合わせてデザインをカスタマイズしたDMチラシの作成や、過去の購入履歴を踏まえて、今オススメしたい商品やサービスを案内するなどの方法が挙げられます。
このような個別対応を通じて、顧客は「自分のためだけに送られた」「特別に配慮してもらえた」と感じることができ、企業との信頼関係を築く効果も期待できます。
視覚的な訴求力がある
DMでは、紙媒体ならではのレイアウトやデザインを活かして、視覚的に強く訴える表現ができるという大きなメリットがあります。
例えば、紙の色や素材を工夫することで季節感を表現したり、フォント選びで親しみやすさや高級感を演出したりできます。
文章だけでは伝わりきれない細やかなニュアンスを表現できるのが、DMならではの大きな強みです。
さらに、Eメールのようにスクロールしなければ全体像を把握できない形式とは異なり、DMは手に取った瞬間に情報全体を把握できるため、視覚的にインパクトを与えやすいです。
パンフレットやカタログ形式であれば、商品やサービスの魅力を誰にでもわかりやすく、効果的に伝えることができます。
手に取れる物理的存在感
DMは紙媒体であり、実際に「手に取って見ることができる」広告です。
この物理的な存在感は、見る人の記憶に残りやすいという大きなメリットを持っています。
興味を引く内容であれば、「あとで読もう」と保管され、繰り返し読んでもらえる可能性も高まります。
さらに、実際に使って試してもらえるサンプルや、店舗で使用できるクーポン、割引券などを同封することで、購買行動を一層促進する効果も期待できます。これらを同封できるのも、DMならではの強みです。
また、紙媒体はパソコンやスマートフォンなどの電子機器の操作が苦手なシニア層にも届きやすく、幅広い層へのアプローチが可能になります。
DMのデメリット
豊富な情報量と、手にとって見ることのできる存在感がDMの強みである一方で、知っておきたいデメリットも存在します。
コストがかかる
DMの送付には、制作費や郵送費などのコストが発生します。
特に、カタログやサンプルなどボリュームの大きいものを送付する場合はコスト負担が大きくなるため、反応が見込めるターゲットを十分に見極めることが重要です。
準備に時間がかかる
DMは、ターゲット選定からデザイン制作、印刷、封入、発送に至るまで、複数の工程が必要となり、準備に時間と手間がかかります。配達にも日数を要するため、即時性に欠けるのが弱点です。
情報伝達スピードが求められる現代においては、タイムリーな情報配信が難しい点がDMの大きな課題点と言えます。
開封率やCVRをすぐ知ることができない
DMでは、開封率などのデータを即座に取得できないことがデメリットとなります。
もちろん、レスポンス(問い合わせや購入など)の数を参考に、DMの効果を検証することは可能ですが、そのデータを得るのは顧客がアクションを起こした後であり、どうしてもタイムラグが生じます。
そのため、施策の効果分析には時間がかかり、迅速な改善が難しい点が弱点と言えます。
Eメール(メルマガ)のメリット
Eメール(メルマガ)を活用したマーケティングには、次のようなメリットがあります。
これらは、先にご紹介したDMの弱点を補うポイントとも言えるでしょう。
配信が迅速
Eメールは原稿を作成してすぐに一斉送信できるため、即時性が求められる内容にもスピーディーに対応できるのが大きなメリットです。
特に、時間限定のイベントやキャンペーンなどタイムリーな情報発信が必要な場合には、Eメールが強みを発揮します。
コストが低い
Eメールは、用紙代・印刷代・郵送費が一切不要なため、低コストで情報を届けることができます。物理的なコストに加えて、DMの作成や送付にかかる人件費も節約できる点が大きなメリットです。
特に、一度に多くの相手に配信する場合、DMと比較して大幅なコスト削減が可能になります。
開封率やCVRがすぐにわかる
Eメールでは、専用の解析ツールを使うことで、送信したメールの開封率や、どれだけの人が商品サイトや企業サイトにアクセスしたかを「即」データ化・可視化できます。
・どのタイプのEメールが反応を引き出したのか
・どの商品が人気だったのか
・最適な送信タイミング
・開封率を高めるメールタイトル など
このようなデータを基にした分析が即可能となり、今後のマーケティングに迅速に活かすことができます。
Eメール(メルマガ)のデメリット
Eメール(メルマガ)はコストを抑えて、スピーディーに情報を届けられる一方で、活用する際には注意すべき点もあります。
ここでは、代表的なデメリットにつ部門いて見ていきましょう。
スパム扱いされ手元に届かないリスク
多くのメールソフトには迷惑メールの対策があり、内容や形式によっては自動的に「迷惑メールフォルダ」へ振り分けられることがあります。
このため、受信者がメールに気づかず、せっかく送付したメールマガジンが開封されないまま埋もれてしまうリスクが高くなります。
これが、Eメールの大きなデメリットの一つです。
対策としては、メールソフトに迷惑メールと判断されないよう、適切な件名、構成、配信頻度を慎重に検討することが求められます。
大量に届くため開封率が低い
Eメールは日々大量に届くため、開封せずにスルーされることが多いのがデメリットです。
確実に読んでもらうためには、まずタイトルで関心を引く必要があります。
仮に開封された場合でも、情報が多すぎたり、読みにくかったりすると、読者がすぐに離脱してしまい、その後再び読まれる可能性は低くなります。
これは、手元に冊子を残しておけるDMに比べて劣る点です。
視覚的訴求力が弱い
DMと比較して、Eメールは物理的なインパクトに欠け、視覚的な訴求力が弱いというデメリットがあります。
テキスト中心のメールは味気なく、視覚的に印象に乏しいため、読者の関心を引きにくいです。
HTMLメールを使って装飾を加えることもできますが、データ容量が大きくなるため、受信者によってはテキストのみの表示に制限されることもあります。
さらに、高齢者層やメール離れが進む若年層など、一部のターゲット層にはそもそもEメールがほとんど活用されていないという点も、大きなデメリットです。
DMとEメールの使い分け
DMとEメールにはそれぞれ異なる強みと弱みがあります。
効果的なマーケティングを行うには、目的やターゲットに応じてDMとEメールを使い分けることが重要です。
以下の視点を参考に、活用方法を検討してみましょう。
目的や業種に応じた適切な選択
商品やサービスの特性、マーケティングの目的によって適するアプローチは異なります。
《DMが効果的なケース》
・高価格帯の商品やサービスのご紹介
・長期間販売できるものの案内
顧客にじっくりと購入を検討してもらいたい商品やサービスについては、パンフレットなどのDMが非常に効果的です。
実際に手に取って何度も見てもらえるため、購入を検討する際に役立ちます。
特に、高価な商品などは、説明を読んだだけでは購入をためらう人が多いですが、サンプルを使って実際の使用感を試し、気に入ってもらえると購入に至ることが多いです。
《Eメールが効果的なケース》
・期間限定の商品やサービスのご紹介
・定期購入の案内
期間限定商品や定期購入の案内など、旬の情報を素早く届けるには、配信スピードに優れたEメールが最適です。
年齢層に合わせた使い分け
ターゲットの年齢層に合わせて使い分けすることも重要です。
《DMが効果的な年齢層》
・高齢者層
・子育て世代
・若年層(SNSブームを受けて)
スマートフォンやEメールに不慣れな高齢者層には、紙で届けられるDMが特に効果的です。
カタログやパンフレットの文字を大きめに印刷できるため、誰にでも見やすい表現が可能です。
また、日中は育児や家事で忙しい子育て世代にも、DMは便利です。
冊子を手元に置いておき、好きなタイミングで見返すことができるからです。
さらに、デジタルデバイスに馴染みのある若年層でも、SNSの普及によりEメール離れが進んでいるため、かえってDMの方が効果的な場合もあります。
《Eメールが効果的な年齢層》
・ビジネスパーソン
・BtoB
・若年層
日常的にメールをチェックする習慣のあるビジネスパーソンや若年層には、Eメールでの情報配信が最も効果的です。
特に、業務の合間や移動時間などに確認しやすいEメールは、時間的な制約があるビジネスパーソンや学生にとって非常に便利な手段です。
BtoB(企業間取引)においても、取引先との迅速かつ正確な情報共有が求められるため、Eメールが最適なツールとなります。
商談内容やサービスの詳細、契約書類の送付など、書面でのやり取りに近い形で効率的に情報伝達が可能です。
ネットショップやネットコンテンツの有無
あなたのビジネスが実店舗中心なのか、インターネット上にもショップを展開しているのか、ビジネスプランによって最適なマーケティング方法も変わってきます。
DMとEメール、もしくはその両方を利用するなど、どの方法が最も効果的なのか検討して使い分けていきましょう。
《DMが適するケース》
・実店舗を中心に展開しているビジネス
・オンラインでの接点が少ない業種
地域密着型のサービスの場合、紙媒体DMでの「手に取れる」アプローチが効果的です。
実際に手に取ってじっくり見てもらえるDMは顧客に信頼感を与えやすく、特に実店舗でのおもてなしを重視するビジネスに適しています。
《Eメールが適するケース》
・ネットショップやWebコンテンツを展開している企業
Eメールとの連携がしやすく、商品の紹介から購入ページへの誘導までをスムーズにオンラインで完結できます。
また、Eメールを活用したアプローチで顧客との接点を増やすことができ、より効率的なマーケティングが可能となります。
まとめ
ダイレクトメール(DM)は、紙媒体を活用した高い訴求力とターゲット精度を兼ね備えたマーケティング手法です。
顧客一人ひとりの好みやニーズに合わせて、手に取って確認できるカタログやパンフレットなどを郵送することで、視覚的に強い印象を与えることができます。
ただし、コストや準備期間、効果測定の難しさといった課題も存在します。
一方、Eメールはスピードとコスト効率に優れた手軽な配信手法であり、旬の情報を即座に届けたい場合に最適です。
一部の層ではEメールの利用者が少ないというデメリットもありますが、施策の効果をリアルタイムで分析でき、次の改善に迅速に活かせるのは大きな魅力です。
これらのマーケティング施策の効果を最大化するには、目的やターゲットに応じてDMとEメールを正しく使い分けることが重要です。
それぞれの特徴をしっかり理解し、ターゲット選定、内容の工夫、配布タイミングを戦略的に設計することで、成功へと導くことができます。
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