DMマーケティングで効果を上げる方法とは|株式会社エフエムディービー
更新日:2025.06.03
DMマーケティングやDMは、ターゲットに直接アプローチできる手法として、今もなお多くの企業に活用されています。
特にデジタル広告の情報があふれる現代において、手元に届く紙のDMは、視覚的にも記憶に残りやすい媒体とされ、再び注目を浴びています。
しかし、DMはやみくもに大量に送るだけでは、期待する効果は得られません。
ターゲット設定、クリエイティブの質、送付タイミングなど、複数の要素がDMの反応率や成果に影響します。
この記事では、DMマーケティングの具体的な施策と効果測定の方法、そして実際に成果を出すための実践的な3つのポイントについて解説していきます。
目次
DMマーケティングとは?
DMマーケティングとは、「ダイレクトメール(Direct Mail)」を活用したマーケティング手法のことです。
郵便やメール便などを使って、特定のターゲットにチラシや案内状、クーポン、カタログなどを直接送付し、商品やサービスへの関心を高めたり、行動(購入・申込など)を促したりすることを目的としています。
DM(ダイレクトメール)とは?
ダイレクトメール(DM)の内容は、チラシやカタログ、クーポン、案内状など多岐にわたり、紙媒体ならではの温かみや手に取った時の実在感を活かして、顧客の行動(アクション)を促します。
購買行動や問い合わせという直接的なアクションだけでなく、時には顧客の記憶に刻まれることで後から行動喚起につながる場合も。
またDMは、SNSの「ダイレクトメッセージ」と略称が同じため混同されやすいですが、マーケティングの文脈では「ダイレクトメール」の意味で使われることが一般的です。
DMでのダイレクトマーケティング
DMは「ダイレクトマーケティング」の中でも、特に古くから活用されてきた王道の手法です。
ダイレクトマーケティングとは、不特定多数に向けて一方的に情報を発信するのではなく、「誰に何を伝えるか」を明確にしたうえで、一人ひとりに最適なメッセージを届け、行動(レスポンス)を引き出すことを目的としたマーケティング手法です。
DMの場合、ターゲットとなる顧客情報(住所・氏名など)をもとに、最適なタイミングと内容で送付することで、商品購入や資料請求などのアクションを直接促すことができます。
関連記事: 「DM とは?ダイレクトメールの活用や改善方法まで解説」
DMマーケティングが、今注目を浴びている理由
デジタル広告が普及し、誰もがスマートフォンで自由に情報収集をする時代にもかかわらず、逆行するようにDMマーケティングが再び注目されているのには、理由があります。
まず、DMは「確実に手元に届く」という特徴があり、見てもらえる確率が高い点が大きな強みです。特に高齢層やネット利用が少ない層にとっては、紙媒体の情報の方が受け入れやすい傾向があります。また、Web広告のようにクリック1つでスキップされる心配もなく、保管性や印象の持続力も魅力です。さらに、デジタル広告は年々競争が激化し、費用対効果が下がってきているという背景もあります。
そうした中で、ターゲットにじっくりアプローチできるDMが再評価されているのです。
DMマーケティングのメリットとデメリット
メリット
1.顧客に確実に情報を届けられる
DMは物理的に手元に届くため、開封率や視認性が高く、メールやWeb広告に比べて「見逃されにくい」という特長があります。
マーケティングにおいて、必ず一度は目を通してもらえるという点は、大きな強みです。
たとえば、新商品の発売情報を既存顧客に伝えたい場合、DMであれば興味関心の高い層にダイレクトに届けることができ、高確率で開封・閲覧されます。
特に、高額商材やリピート誘導など、関係性を重視したプロモーションにおいて有効的な手法となります。
2.紙ならではの訴求ができる
ハガキや封書だけでなく、圧着ハガキやカタログ同封など、自由なクリエイティブが可能です。
立体的なDMや手触りのある紙質は、視覚・触覚の両方に訴えかけるため、記憶にも残りやすくなるでしょう。
DMのクリエイティブ例:
●圧着ハガキでクーポンを隠し、開封の動作を促す
●商品のサンプルを同封して「体験」を促す
●カタログや冊子を送って情報量をしっかり届ける
●加工紙や特殊印刷で高級感を演出する
このように、視覚・触覚・場合によっては嗅覚(香り付きDM)など五感に訴える演出が可能で、ブランドイメージの訴求や記憶定着にも効果的です。
特に、化粧品・アパレル・住宅関連など、「体感・感性」が購買に影響する業種では高いパフォーマンスが期待できます。
3.デジタル広告では届かない層に届く
インターネット広告は、若年層やデジタルリテラシーの高い人には強力ですが、高齢者やインターネットを積極的に使わない層にはアプローチが難しいという側面があります。
DMは郵送という手段で確実に届けられるため、こうした層に対しても直接的かつ丁寧なコミュニケーションが可能です。
介護サービス、不動産購入、健康食品など、比較的年齢層が高いターゲットを持つ業界では、DMでのマーケティングは反応率も高くなり、非常に有効なチャネルとなります。
4.効果測定ができる
DMマーケティングは、「感覚や経験」に頼ったものではなく、数値による効果測定が可能です。
●専用のレスポンスハガキを同封して回収率を計測
●DMごとに異なるQRコードやURLを用意してアクセス元を追跡
●クーポンコードで来店・購入を分析
今まで実施してきたDMデータの蓄積と分析により、PDCAサイクルを実現することができ、次回以降の改善や最適化に活かせます。
効果測定を正しく行うことで、徐々に反応率を高め、コストパフォーマンスを向上していくことができるでしょう。
デメリット
1.コストと手間がかかる
DMの制作・発送には、印刷費、封入作業、郵送料、顧客データの抽出・整備など、多くの手間とコストが発生します。
Web広告なら数クリックで出稿できるのに対し、DMは少なくとも数日から数週間の準備期間が必要です。
コスト面がネックになるため、ターゲットを絞り込んで精度を高めたセグメントDMの活用や、小ロット対応の印刷会社との連携が重要になります。
2.即時性に欠ける
DMは一度印刷してしまえば変更ができないため、リアルタイムでの修正・変更・ABテストが難しいという制約があります。
また、印刷・配送に時間がかかるため、Web広告のようなスピード感は得られません。
キャンペーン期間が短い場合や、競合とのスピード勝負になるような商材では、DM単体での運用では限界があります。
そういったケースでは、DMで認知を高めてからWebで即時対応させるなど、他チャネルと組み合わせた施策を行うことで、成果を得ることができるでしょう。
3.顧客データの整備が必要
DMを成功させるには、正確で最新の顧客情報が必須です。
引越しや転勤、結婚による名字変更など、顧客情報は頻繁に変わります。古いリストを使って送付すると、「転送不可」「宛先不明」となってしまい、無駄なコストが発生するだけでなく、ブランドイメージの低下にもつながってしまいます。
そのため、定期的なデータクリーニングや、リターンメールを基にしたリストのメンテナンスが必要です。昨今では、顧客データベースとMA(マーケティングオートメーション)を連携させるなど、デジタルとの連携で効率化を図る企業も増えてきています。
DMマーケティングにおける施策と効果測定
DMマーケティングは、単に郵送物を送るだけでは成果に結びつきません。
現代のマーケティング施策において、DMは「伝えたいメッセージを確実に届けられる」数少ない手段であり、他チャネルと組み合わせることで圧倒的な成果を上げることができます。
効果を最大化するためには、目的に応じた施策を設計し、効果を定量的に把握・改善していく仕組みを作り上げることが重要です。
DMの主な施策と成功へのポイント
DMの施策にはさまざまな手法がありますが、代表的なのは以下のようなものです。
●販促チラシ・クーポンの送付:期間限定の割引やキャンペーン情報を伝え、来店・購入を促す。
●カタログや商品案内の送付:新商品やサービスを丁寧に紹介し、検討を促す。
●リマインドDM:過去に取引のあった顧客に再度アプローチすることで、リピートを狙う。
成功するDMの共通点は、「誰に・何を・どうやって届けるか」が明確であることです。
ターゲットの選定、伝えるメッセージの設計、開封・反応しやすいデザインや封入形式など、細部までこだわることで反応率を大きく伸ばすことができます。
また、Webとの連携やQRコードの活用、キャンペーン専用ページ(LP)を設けることで、DM単体に留まらない多角的なアプローチも可能となります。
効果測定で重要なKPIの設定方法
DMマーケティングの効果を最大化させるためには、効果測定が欠かせません。
施策の効果を正確に評価するには、あらかじめKPI(重要業績評価指標)を設定しておきます。
代表的なKPIには、以下のようなものがあります。
●開封率:DMを開封した人の割合(封筒DMなどの場合)
●レスポンス率:DMを受け取った人のうち、何らかの反応(問い合わせ・来店・申込)を示した割合
●CVR(コンバージョン率):最終的に商品購入や契約など、成果に結びついた割合
●ROI(費用対効果):DM施策にかけた費用と、それによって得られた利益のバランス
これらの数値をもとに施策の成否を判断し、反応の良かったターゲット属性やクリエイティブを分析して改善につなげることが、DMマーケティングを継続的に成長させる鍵となります。
特に、Web広告やSNSなどのデジタル施策が飽和しつつある今だからこそ、「開封される」「読まれる」DMの力が再評価されており、他社との差別化を図る上でも重要な手法といえるでしょう。
DMマーケティング・制作に取り掛かる前に、かならず目標となるKPIと各指標の設定を行います。
指標や効果測定の詳しい方法は、下記の記事で紹介していますので、参考にしてみて下さい。
関連記事: 「DM効果を最大化する方法は?反応率はどのぐらい?」
DMマーケティングを成功させるための3つのポイント
成果につながるDMマーケティングを実現するには、計画から実行までに押さえておくべき重要なポイントがあります。
中でも次の3つのポイントは、特にDMの効果に直結する要素として大切になります。
1. 送付ターゲットの明確化
「誰に届けるか」はDMの成果を大きく左右します。ターゲットが曖昧なまま送付しても、高い反応率は期待できません。
過去の購入履歴や属性(年齢、性別、地域など)をもとに、ニーズが高い層に絞り込むことで、DMの訴求力は格段に上がります。
また、リストの精度が高ければ高いほど、無駄なコストを削減しながら、より多くの成果を得ることができます。
さらに近年では、顧客データをAIやCRMツールで分析し、より精度の高いターゲティングが可能になってきました。感覚ではなくデータに基づいた戦略が、費用対効果の高いDMを実現します。
2. アクションにつながるクリエイティブ
DMを開封してもらい、読み進めてもらうためには、視覚的に訴えるデザインや、心を動かすコピーが重要です。
特に「自分ごと」として捉えられる内容(例:氏名入りの挨拶文や限定オファー)や、緊急性を感じさせるメッセージ(「今だけ!」「限定〇名!」など)は、反応率アップに直結します。
また、見えるところにQRコードをつけたり、申込用ハガキを同封したりするなど、アクションにつながる導線をわかりやすく配置することも開封してもらうためのポイントです。
DMは「読まれるだけ」では意味がありません。読んだ後に行動を起こしてもらうことこそがゴールです。
目を引くレイアウトと的確なコピーで、相手の「今すぐ申し込みたい」「詳細を見たい」という感情を引き出すことが鍵となります。
関連記事: 「DM開封率はメールよりも紙。開封率を上げるコツ」
3. 送付タイミングと配布方法
DMは「いつ届くか」も大切なポイントです。
たとえばセール直前やイベント開催前など、行動を起こしやすいタイミングを狙うことで反応率が高まります。
ターゲットによっても、DM送付の適切なタイミングは異なります。
専業主婦向けのDMである場合は、週末よりも平日の方が時間はあるのでDMをしっかりと読む可能性が高くなります。
ターゲットの行動を予測し、送付タイミングを合わせることも、DMマーケティングの効果を高めるためのポイントとなります。
さらに、配布方法にも工夫が必要です。
郵便、メール便、地域限定のポスティングなど、届けたい相手に最も届きやすく、かつ印象に残る方法を選ぶことが効果を左右するでしょう。
現代の消費者は、SNSやネットニュースなどで日々大量の情報にさらされています。
その中で印象に残り、心を動かすためには、「タイミング・方法・内容」の3拍子がそろったDMであることが求められます。
これらの工夫を積み重ねることで、DMは単なる郵便物から「お客様との接点を生む強力な販促ツール」へと進化するのです。
今後のDM活用に向けてのヒント
今後さらにDMマーケティングを効果的に展開するには、以下のような視点も有効です。
●データ分析の活用
顧客の反応データを蓄積・分析し、次回以降の施策に反映することで、継続的な改善が可能。
●パーソナライズの強化
ターゲット顧客の属性や行動履歴に基づき、DMの内容やデザインをカスタマイズすることで、 開封率・反応率がさらに向上します。
●サステナビリティへの配慮
最近では環境意識の高まりから、エコ素材の封筒や再生紙の使用など、持続可能性を意識したDMが好まれる傾向に。
●オムニチャネル連携
DMだけで完結させるのではなく、QRコードや短縮URLを使ってWebやSNSに誘導するなど、オンラインとの融合が成功のカギ。
DMは、しっかりと企画運用すれば、今なお高い効果を得られるマーケティング手段です。
時代の変化に合わせて、柔軟に戦略を見直しながら活用していきましょう。
まとめ
DMマーケティングは、ターゲットを明確にし、クリエイティブを工夫することで、今なお高い反応率が期待できる有効なマーケティング手法であることが、お分かりいただけたのではないでしょうか。
送付リストの精度や送付のタイミング、ABテストの活用などを戦略的に設計することで、DMの効果を最大化し、また、紙DMならではの「手に取られる」強みを活かし、デザインや同封物にこだわることで、さらなる反応率のアップが期待できます。
DMにオンライン施策との組み合わせによるクロスチャネル戦略も視野に入れ、自社のマーケティング全体の最適化を図っていきましょう。
さらに、DMは単なる販促手段にとどまらず、「顧客との関係構築の起点」として機能することも大きなポイントです。
一方通行の広告と異なり、DMは顧客の手元に直接届き、じっくりと読まれることで、商品やサービスへの信頼感や親近感を育てていくことができます。
これは、長期的な顧客との関係を築くうえで大きな武器となるでしょう。
デジタル全盛の時代だからこそ、「あえて紙で手元に届ける」DMに価値が生まれます。
DMマーケティングを効果的に活用し、他社と差がつくコミュニケーション戦略を実現していくことで、売上アップ・企業やブランドのイメージアップを目指していきましょう。
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